火山ガールがゆくっ!!

火山が大好き火山ガールです。山ガールとは一味違う『火山』に魅せられている女子ですー

火山ガールがゆく、洞爺湖有珠山で火山国際交流の巻!②

こんにちわ!洞爺湖有珠山に住む火山ガールのカッピーです!!

洞爺湖有珠山地域では只今紅葉が見頃ですよー!!

なんと紅葉が火山色で真っ赤赤!!まるでマグマのような木に火山ガール、心を揺さぶられておりました・・・

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壮瞥町にあります東洞爺湖畔がすっごく綺麗な今です。



さて・・・本日は前回の続きです・・・

hippykayappy.hatenablog.com

 

和歌山大学の研究生で今回通訳をつとめてくださった間中さんの研究のお話が非常に興味深かったです、そちらも少し書き留めておこうと思います。

 

ということで、前回終わっていました。

 

間中さんはアンディさんの村に実際に住んでインドネシア・ムラピ山噴火災害に起因する観光展開とその影響についての研究をされたそうなんですが、そのお話を伺って…

 

一番興味深かったのが、もともと畜産や林業や農業が中心だった村が噴火の火砕流の災害によってそのほとんどが消失してしまった後に、観光業が盛んになり、観光業としての収入源が増えていった。

という点でした。

 

「観光」という点で言えば、噴火災害が起こる以前は「グリーンツーリズム」というコーヒーを栽培している場所を見学してもらい、実際にコーヒーを飲んでもらうというようなことや、乳搾り体験や伝統的な踊りを披露する、というような年間200人での集客が見込めたツーリズムが行われていたそうです。

 

アンディさんの村は断続的な火砕流の被害によって多くの被害があったのですが、その噴火災害後、多くの方がアンディさんたちの住んでいた近くの集落に訪れるようになったそうです。

 

それが観光資源が生まれるきっかけになったのではないかと思うのですが、なぜ人々が訪れるようになったかというと、インドネシアでは知らない人がいないという有名な方が噴火災害で亡くなり、その方にお別れにきたり、実際に被害にあった家を見に行ったりということで、沢山の方が訪れるようになったそうです。

 

その方とはムラピの精霊と通じる「守護者」として数十年にわたってカリスマ的存在だったマリジャンさんです。

 

マリジャンさんについて色々調べましたが、興味深かったのが、2010年の噴火が起こる前の2006年噴火について、ナショナルジオグラフィック社のこちらの記事で、ムラピの守護者マリジャンさんが村を噴火災害から守ったと、住民から多くの指示を受けたというような記事です。

natgeo.nikkeibp.co.jp

 

2010年の噴火で亡くなったマリジャンさんについては、日本の朝日新聞社でも紹介されています。

asahi.com(朝日新聞社):「山が怒っている」 噴火続くインドネシア・ムラピ山 - 環境

スカルディさんら地元住民が最も衝撃を受けているのは、同山の精霊と通じる「守護者」として数十年にわたってカリスマ的存在だったマリジャン氏(83)が、26日の噴火の際、火砕流に巻き込まれて亡くなったことだ。同氏は、ジャワ島中部で栄えたイスラム王朝の血を引くスルタン(君主)でジョクジャカルタ特別州知事のハメンクブウォノ10世の従者だった。同山が活動を活発化するたびに、避難を呼びかける政府の警告より、「マリジャン師が『大丈夫』と言っているから」と、自宅にとどまって牛や畑の世話を続ける住民も多かったという。火口近くに住み、山の精霊へささげる儀式や祈りを取り仕切っていた同氏は、26日の噴火の際にも「自宅で祈り続ける」と避難を拒否。その亡きがらが、ひれ伏して祈りをささげた姿のままだったという「伝説」が広がり、「山の怒りを静められる人がいなくなった」と人々の不安が高まっている。大きな噴火のたびにパニック状態に陥ったり、気を失ったりする人々で大騒ぎになっているという。

▼注目すべき点はこちらかなと思いました。▼

マリジャン氏宅付近ではこれまでに地元記者らを含む16人の遺体が発見された。同氏の死亡も家族が確認した。

マリジャン氏は前回2006年の噴火の際、政府の避難命令に応じず、山の「怒り」を鎮める祈りをささげ続けて一躍有名になった。今回の噴火に合わせて地元記者らが取材に訪れていたとみられる。記者の一人は以前、噴火の際は祈りをやめて避難するようマリジャン氏に促していたという。

 

1910年、今から100年近く前ですが、実はここ有珠山噴火でもアイヌの方が祈りを捧げる写真が残っています。

その写真はこちらの記事で紹介しているので良かったらご覧ください。

ameblo.jp

 

ここ洞爺湖有珠山地域では2000年噴火の際に有珠山周辺地域の住民が噴火の恐れがあるということで事前に避難をしました。

人々が住む住宅地のすぐそばで火口ができたにも関わらず一人の命も失うことがなかったと、「減災」に力を入れている地域として世界でも注目されています。

 

このマリジャンさんの起こした行動は果たして正しいのか?どうなのか?…人の命を守る避難行動が大切と減災活動を学ぶ地域住民として、そこに注目をしてしまいます。

 

ただ、日本よりもより、宗教的な信仰が強いですし、一方的な評価はできませんが、一つとして「前回大丈夫だったから今回も大丈夫だろう」という思いは少なからずあったのではないかと思いました。

 

自然は一つとして、同じ現象は起こさない、そこに対する畏敬の念として、時には逃げるという行動も大切なことではないかと、私個人的には感じました。

 

しかし、マリジャン氏が多くの方の心の支えになっていたことは、亡くなった後に人々が絶えることなく訪れ、死を惜しんだというところから愛されていたことがよくわかると思いました。

 

この町ではあまりにも多くの方が訪れるので

『ダークツーリズム」なるものが生まれ、マリジャン氏にまつわるグッツ販売から、入場料を徴収するシステムから野菜などを販売することなど、仕事を失った人がそこから収入を得るような観光業がはじまったというのです。

 

その集落に人々が集まった帰路のアンディさんたちが住む集落でボランティア活動に参加する方が増えたり、多くの被害が生まれた場所に新たな光が灯し出した、そんな一面が非常に興味深いなあと思いました。

 

このダークツーリズムと、ボランティアツーリズムが走り出した後、

そこから新たに生まれたのが「JEEPに乗り込んで災害跡を周遊しよう」という新たなツーリズムです。

 

このジープがすごく人気のようで、1回で2000円(日本円で)の収益があり、10回の集客が見込めれば、それだけで一ヶ月間の生活が成り立ってしまうほどのビッグビジネスのようです。(一般的な仕事のだいたい初任給が2万円ほどのようです)

 

実際に日本でも「ボルケーノジープツアー」とか「火山跡をジープで巡るツアー」とか参加してレポート書いている方もいますね!!

blog.his-j.com

japanesia.net

 

何れにしても、「楽しい!!」と評判のツアーのようです。

 

そういった人気ツアーということもあって、このジープツアーへ参戦する人も増えたようです。

 

ジープツアーの成功と参入者の増加

2010年 0組合(3~4台

2014年 4組合(103台

2016年 12組合(350台

 

アンディさんの集落ではそれに伴い新たな私設博物館を開館させたり、コーヒーの試飲・販売所のオープンを行うようになったそうです。

 

と、いうことで、畜産業・林業・農業の復興の穴埋めを観光業でまかなうという貴重な例をご紹介いただき、私たちが住む洞爺湖有珠山地域ではもともと「観光業」が主なので、私たちの住む地域との違いを知ることができました!

 

彼らがここでの経験を地元に持ち帰り、どんな活動に活かされて行くのかとても楽しみです(^^)

 

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また何か交流や発展があればご報告したいと思います。

 

Terima Kasih